松田先生 甘いものが大好きなあなたへ

養生コンサルタント 松田 惇 先生 05

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薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

甘いものが大好きなあなたへ

何故甘いものが食べたくなるのか?

ケーキ

甘いものが無性に食べたくなる…
甘いものがやめられない…

ダイエットを考える時そんな悩みをもつ人も多いかもしれません。
甘いものを過剰に摂り過ぎると、エネルギーとして使われなかった分は脂肪に変わってしまい、肥満の原因になってしまいます。
そのため甘いものを控えることはダイエットでは大事になってきます。

でもそもそも何で甘いものが食べたくなるのでしょうか?
今回のコラムでは甘いものを食べたくなる、やめられない原因を漢方の視点で考えてみようと思います。

甘味の役割

甘味(かんみ)は漢方や薬膳では、
気を補って身体を元気づける
緊張を緩める

などの働きがあるとされています。

甘味のある食物は五臓と呼ばれる身体の5つの機能のうちの脾(ひ)の働きを助けると言われています。
この脾と言うと脾臓という臓器の名前と同じですが、漢方では脾臓そのものをさすのではなく消化器系の働き全般を指し、身体のエネルギー(気と呼ばれます)や血を作り出す、とても重要な役割を担っています。

つまり甘味は消化器系(脾の働き)を助けて身体の気を作りだし、身体を元気にする役割があります。
そのためスポーツの後などエネルギーを必要とするときは甘味が元気を補ってくれます。

また緊張を和らげる働きがあるので、ストレスが溜まってしまっている時にも甘味を摂ることで和らげる事ができます。

甘いものが食べたくなるというのは
『元気になりたい!』『ストレスから開放されたい!』
という身体の叫びだったりする訳です。

甘いものがやめられないのはなぜ?

砂糖

では甘いものをたくさん食べれば食べるほど、元気になり、ストレスから開放されるかというと…そうはいきません。

実は甘味は適度に摂ることで脾の働きを助けてくれますが、逆に甘味を摂り過ぎてしまうと今度は脾を傷めてしまいます。
良くも悪くも関係が深いのが甘味と脾の関係なんです。


甘いものを食べ過ぎた時に何となくだるく感じたり、お腹が重く感じたり…
こんな経験がありませんか?
これは甘味が脾の働きを弱めてしまう事が原因です。

さらにそうして脾が弱ってしまいますと、その働きを助けようとして、さらに甘味を摂って助けようと甘いものが欲しくなる…という悪循環に陥ってしまいます。
これが甘いものがやめられない原因の一つになります。


胃腸が弱ってしまっているので、何とか甘いものでエネルギーを作ろうとして、甘いものが欲しい!ってなるんです。

甘いものをやめられない時は甘味が良い⁉

imo

甘いものが無性に欲しくなるのが脾の働きが弱ってしまっている事が原因である場合、 ちょっと逆説的ですが、甘味を摂ることがオススメです。

ん?どういうこと?って思うかもしれません。
ここでいう甘味とは、お菓子などの砂糖の甘味ではなく、穀物や芋などの自然な甘味をもった食物です。
砂糖も甘味としての働きがありますが、精製されていて甘味が強いので、少量であっても摂り過ぎになってしまいます。
なので脾が弱っている時にはあまり向いていません。

お米は噛めば噛むほど甘くなりますよね。
あのような自然な甘味の物が脾の救世主でなんです。
風邪を引いて食欲がない時はおかゆを食べますが、甘味をもつお米を消化しやすい状態で取り入れるのは脾の働きを優しく助けるという意味で理にかなっているんです。

これからの時期はサツマイモや栗などの食材がオススメです。
ですが食べ過ぎは脾を傷めてしまうので注意してくださいね。

まとめ

今回は甘いものと身体の関係から、甘いものをやめられない原因についてお話しました。
ダイエットをする上で食べたいものをガマンすることも時には大事ですが、何で食べたくなるのか?の原因を知れば無理せずに食べたい気持ちをコントロールする事が出来ます。

今回は脾の働きが弱っている事を原因として挙げましたが、例えば、ストレスが原因になっていたりと、甘いものがやめられない原因は他にもあります。
また、脾が弱る原因も人それぞれなので、人によって対処法が変わってきます。

なので私が行うカウンセリングでは、体質や身体の状態を知ってもらう事からスタートし、体質に合わせて無理なくできるダイエットを一緒に考えていきます。

このコラムで全てのケースをお話するのは難しいですが、このコラム読んで頂いたことが、身体の「何で?」に意識を向けるきっかけとなれば幸いです。

甘いものを食べたい気持ちと闘う前に、食べたくなるのは何でかな?と身体の声に耳を傾けてみませんか?

プロフィール

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養生コンサルタント

松田 惇まつだ じゅん

薬剤師。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。