松田先生 秋にホクホクを食べたいわけは?

薬剤師 松田 惇 先生 17

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薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

秋にホクホクを食べたいわけは?

旬の美味しい食材について

こんにちは!薬剤師の松田です。

10月に入りだいぶ過ごしやすい日が増えてきましたね。
食欲の秋!ということで、前回に引き続き今回も秋の食材についてのお話です。

秋と言えば!ホクホクした食べ物を食べたくなりませんか?

秋限定の商品でも、かぼちゃやくり、さつまいもなどのホクホク食材を使ったものを多く見かけるようになります。

さつまいもやくりなどはこの時期に旬を迎えるので、もともと美味しい季節ではありますが、それ以外にも、秋にホクホク食材を食べたくなる理由が実はあるんです。

理由①甘味がある

さつまいも

かぼちゃやくり、さつまいもなどのホクホク食材は優しい甘味を持っています。
以前のコラムでも書きましたが、甘味は消化器系(漢方では脾といいます)を補う働きがあります。

秋は寒さの厳しい冬に備えて、体に滋養を蓄える季節。
食欲の秋とよく言いますが、この時期はたくさん栄養を取り入れようと消化器系をよく働くので食欲が増します。
ですがよく働くとその分負担にもなりやすいので、消化器系の働きを助ける甘味の食材を体が求めるというわけです。

スイーツが食べたくなるのも同じ理由。
甘いものを無性に食べたくなるのは消化器系が弱っているサインの可能性も。
ですが砂糖を多く摂りすぎるとかえって消化器系の働きを弱めてしまうので注意が必要です。
食材の自然な甘味から取り入れるようにしましょう。

理由②秋は乾燥する季節

かぼちゃ

秋は空気が乾燥しやすく、肌荒れやかさつきなどのお肌のトラブルや、風邪をひきやすい、喘息が悪化しやすいなど、呼吸器系のトラブルが起きやすい季節です。
これら肌や呼吸器系の働きを漢方では「肺」と言います。
肺は乾燥に弱いので、秋になると肺に関係したトラブルがおきやすくなります。

この肺を助けるのが、ホクホク食材。

理由①で甘味のあるホクホク食材は消化器系(脾)の働き補うと書きました。
脾は肺を助ける関係にあるので、脾を補うホクホク食材を食べることで、間接的に肺の働きを助けることに繋がります。

理由③豊富な食物繊維

ホクホク食材には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は腸内環境を改善し、お通じを良くする働きがあります。

実は理由②で出てきた肺と大腸は繋がっていると漢方では捉えています。
呼吸器系や皮膚のトラブルを抱えている場合、腸内環境が悪化の原因となっていることが少なくありません。

逆に肺が弱りやすい秋の時期というのは腸のトラブルもおきやすくなります。
ホクホク食材には食物繊維が豊富、という観点から秋に乱れやすい腸にも働きかけるわけです。

以上のようにホクホク食材が秋にいい理由はこんなにあります。

「秋と言えばやっぱりかぼちゃにくり、さつまいもだね!」 そんな風に感じたらそれは体からのリクエストかもしれません。

でも1点だけ注意!ホクホク食材を使った料理やお菓子は、甘みをつけるために砂糖を多く使用していることが多いので、ダイエットを考えると注意が必要です。

体からのリクエストに正直に。ホクホク食材の自然な甘味で秋の味覚を楽しみましょう。

プロフィール

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薬剤師

松田 惇まつだ じゅん

AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。
ブログ(http://elmtable.hatenablog.com/ )