松田先生 五味調和でバランスの良い食事を⑤

薬剤師 松田 惇 先生 11

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薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

五味調和でバランスの良い食事を⑤〜辛味〜

五味調和で5回目!

こんにちは!
薬剤師の松田です。
お読み頂きありがとうございます。

五味調和をテーマにお話させて頂いて今回で第5回目になりました。
これまで甘味、酸味、苦味とお話ししてきましたが、今回は辛味についてです。

辛味のはたらき

ショウガ

辛い物を食べると、身体が熱くなってきて汗をかきますよね?
辛味には身体を温める働き、発散を促す働きがあります。
発散は東洋医学では身体の表面から邪気(病気の元になるもの)を追い出す働きをいいます。


葛根湯という漢方薬をご存知でしょうか?
風邪の引き始めに〜とCMでも流れているので聞いた事がある方も多いかもしれません。
この葛根湯には麻黄(まおう)、葛根(かっこん)、生姜(しょうきょう)、桂枝(けいし)といった辛味をもつ生薬が配合されています。

葛根湯を飲むと身体がポカポカしてきて汗をかき始めます。
身体を温めて発散を促し、邪気を追い出すことで風邪の症状がまだ身体の表面にある状態、発熱、悪寒、肩のこわばりなどの症状が出ているときに効果があります。

葛根湯ほど効果は強くないですが、辛味のある食材は同様の働きがあります。
ネギ、ショウガなどの辛味食材は身体を温めて、汗をかきやすくする事で、 新陳代謝を促してくれます。

ストレスがたまった時は辛い物が食べたくなる!?

カレー

なんだか無性にカレーが食べたい!
そんな日もありますよね。

でもなんでカレーや辛い物を食べたくなるんでしょうか?

辛味には気の巡りを促す働きもあります。
ストレスが溜まって気持ちがもやもやするのは、東洋医学では気の流れが滞った状態と捉えます。
辛味をとることで気を巡らせて発散を促すので、モヤモヤをスッキリさせてくれます。

また気持ちが沈んだり、クヨクヨ思い悩んでしまうときにも辛味はオススメ。
これは辛味が五臓の「肺」の働きを助けるからです。
五臓でいう「肺」は肺そのものを指すのではなく、肺の呼吸器の働き以外にも、皮膚の機能や免疫なども関係する機能として捉えたものです。
肺が弱ると悲しみやすくなると言われていて、辛味がこれを助けてくれるんです。

辛いものを無性に食べたくなった時は、ストレスが溜まっていたり、気持ちが沈んでいる時かもしれないですね。

辛味のオススメ食材

辛味というと唐辛子やコショウなどの香辛料が真っ先に思い浮かぶかと思いますが、 食材の中にも辛味をもつものはたくさんあります。
先ほど例に挙げたネギやショウガの他にも、ニラやピーマン、タマネギなども辛味の食材です。

これらは主に身体を温める食材ですが、ミントや大根は身体を冷ます辛味食材。
スッキリしたい時にはミントの葉や大根おろしなどを食卓に取り入れてみてください。
他にも三葉やシソ、パクチーなどの薬味は辛味に分類されるので、身体を冷ましやすい食材と合わせて用いられます。
刺身にシソを付けあわせたり、生野菜にパクチーを入れたりするのはとても理にかなった食べ方ですね。

心と身体を発散させ、スッキリさせてくれる辛味をぜひ上手に取り入れてみてください。

プロフィール

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薬剤師

松田 惇まつだ じゅん

AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。
ブログ(http://ameblo.jp/tabelkaor)