松田先生 五味調和でバランスの良い食事を②

養生コンサルタント 松田 惇 先生 08

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薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

五味調和でバランスの良い食事を②

今年こそダイエットを成功させよう!

ご飯

こんにちは! 食と香りの漢方薬剤師、松田です。
2016年の幕開けですね!

今年こそはダイエットを成功させたい!
と目標新たに頑張ろうとしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

このコラムが皆様のダイエットの成功に少しでもお役に立てれば幸いです。
今年もよろしくお願い致します!

さて、前回はバランスの良い食事を考える時に、
五味:酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(かんみ:塩辛い味)
をまんべんなく取り入れるとバランスの取れた食事に近づく。
というお話をしました。

バランス良く食べる事で、代謝に必要な栄養素をしっかり補給する事ができて、代謝がアップします。
つまり太りにくい身体にしていく事ができるわけです。

今後数回に分けて、どうやって五味の調和した食事にするか?をより掘り下げてお伝えしていきます。

どんぶり

甘味に偏った食事

現代の食生活においては、どうしても甘味に偏ってしまっている方が多いのが現状です。
これはダイエットをするしないに関わらず、多くの方に当てはまる事だと思います。

薬膳において、穀物、豆など自然な甘みをもつ食材や、お肉や魚などの旨味をもつ食材、油脂などが甘味(かんみ)を持つ食べ物です。
つまり栄養面では三大栄養素と呼ばれる、炭水化物・タンパク質・脂質を多く含む食材は そのほとんどが甘味に分類されます。

薬膳において甘味=糖質ではありませんので注意してくださいね。

栄養面において三大栄養素がエネルギーや身体を作る源になると言うように、薬膳において甘味は身体の力を補い、元気づけるものとされています。

また、甘味には緊張を緩める働きがあるともされています。
甘いものを食べるとほっとして思わず顔がほころびますよね。

ですが、甘味を摂りすぎるとカロリー過多になってしまい太る原因になってしまいます。
また、漢方では甘味の摂り過ぎによって気の巡りを乱し、適度に摂った時とは一転、イライラの原因になるとも言われています。

またお菓子に多く含まれる砂糖は精製されている分、不自然に甘味の強い食べ物と捉えるので、摂り過ぎには注意が必要です。

以前のコラムで甘味は「脾」と関係が深いとお伝えしました。
(松田コラム第5回 甘いものが好きなあなたへ( http://www.bediet.jp/specialist/22/6475)

「脾」とは漢方において消化器系全般の機能をさします。

甘味を適度に摂ると脾の働きを助けますが、摂りすぎると逆に脾を傷めてしまいます。

要するに甘味の摂り過ぎは
・カロリー過多
・代謝が落ちてしまう
のダブルで太りやすくなる原因となってしまいます。


ですが。ただ甘いもの、油ものを控えましょう!
という話ではありません。
重要なのはバランスをとるという事です。

確かに甘味を摂りすぎると太る原因になってしまいますが、やせやすい身体を作る上でキーポイントになってくるのも実は甘味なんです。

甘味の持つ、身体を元気づける働き、脾を助ける働きはダイエットを考える上で大切な代謝を上げる事に繋がります。
つまり、甘味が不足してもやせにくくなってしまう訳です。
(くどいようですが、甘味=糖質ではないので注意してください)

ではどのようにバランスを調えていけばいいのでしょうか?
主食となるお米やパン、麺類は甘味に分類されますし、お肉やお魚などの主菜になる食材も甘味に入ります。
なので自然と他の4つの味よりもウェイトは大きくなります。

意識しないと甘味ばっかりになっていた!なんてことも多いです。
ハンバーガーに牛丼、揚げ物やスイーツ...これらはほとんどが甘味に偏った料理です。
外食が増えてきてしまうと、どうしても甘味ばかりになってしまいがちなので注意が必要です。

そこで私からの提案は甘味を主軸にして、他の4つの味を意識的に取り入れる事です。

献立を決める際に、ご飯にするか?パンにするか?麺にするか?と主食をなににするか決めて、メインを肉料理にするか?魚料理にするか?のように主菜を決める。
このように多くの方は主食かメインを最初に考えると思います。
この流れで甘味の内容と量を一番最初にある程度決めてしまうと組み立てやすいと思います。

そのあと、他の4つの味(酸味、苦味、辛味、鹹味)を主菜や副菜、汁物などに割り当てて食材を選んでいきます。
のようにして、甘味を骨組みにして献立を考えると五味調和しやすいと思います。

ポイントは甘味ばかりに偏らないようにする事です。
次回以降は他の4つの味の働きと取り入れ方についてお話していきます。

プロフィール

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養生コンサルタント

松田 惇まつだ じゅん

薬剤師。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。
ブログ(http://ameblo.jp/tabelkaor)