松田先生  丸ごといただきます!

養生コンサルタント 松田 惇 先生 03

松田先生顔写真

薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

丸ごといただきます

「一物全体」

エビフライ

皆さんはエビフライのしっぽはどうしてますか?

バリバリ食べちゃうって方も入れば、食べずに残すっていう方もいると思います。

なぜエビフライのしっぽの話か?というと、今回は『素材を丸ごといただきましょう。』というお話です。

薬膳には「一物全体」(いちぶつぜんたい)という言葉があります。
『これは全体をもって一つの物を成している。』という意味
です。

動物においては内臓があり、筋肉があり、骨があり、とたくさんの部位から体が出来ていて、 全てひっくるめて生命として生きています。

植物においてもそうです。根があり、茎があり、葉があり、実があり。
それら全てで生きています。
つまり全体が揃うことで生命力を持っています。

身近な食材に目を向けてみると、野菜や果物は皮をむいて食べたり、魚は切身として内臓や骨を取ったり、というように、素材の一部だけを食べるものが少なくありません。
これは、一つの生命として生きているもののほんの一部をいただいている。という事になります。

野菜や果物も皮ごと食べたり、小魚のように骨や皮ごと食べること、つまり「丸ごと食べる」ことで、その食材が持っている生命としてのエネルギーをそのまま取り入れる事ができます。

食材を「一物全体」で捉え、出来るだけ丸ごと食べ、生命を丸ごといただく。薬膳ではとても重視されている考え方です。

丸ごと食べることはダイエットにぴったり

大根

また、この「丸ごと食べる」は栄養面でも理にかなっています。
野菜や果物は紫外線や細菌などにより傷まないように、抗酸化成分や抗菌成分を作り出し身を守っています。
これらはファイトケミカルと呼ばれており、特に皮などの表面に多く含まれています。

また魚の皮や骨も栄養豊富で、皮にはコラーゲンや、EPAなどの不飽和脂肪酸が、骨にはカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

なので、丸ごといただくという事は、『食材の持っている栄養素も丸ごといただく』という事なのです。

栄養素が丸ごと摂れると、代謝に必要なビタミンやミネラルなどを部分的に食べるよりも多く摂る事が出来ますし、野菜などの硬い皮の部分も食べる事で、噛む回数も増えて、食物繊維もより多く摂る事が出来ます。

まさに丸ごと食べることはダイエットにぴったりなんです!

また、食材の捨てる部分が少なくなることでゴミの減量化にも繋がるので、環境にも優しい食べ方と言えると思います。

でもだからといって、バナナを皮ごと食べましょう!っという話ではありません。
本来は食べられる部位なのに、硬くて食べにくいから、食感が良くないから、というような理由で捨ててしまうのはもったいないんです。

大根などの根菜類を皮ごと調理したり、切身で食べる大きな魚より、丸ごと食べられるにぼしやしらすを選んだり…
というように現実的に食べられる範囲で大丈夫です。

食材の持っている生命力や栄養素をたっぷり受け取れて、ダイエットにもエコにもなる「丸ごと食べる」をやってみませんか?

まずはエビフライのしっぽから…

プロフィール

松田生プロフィール写真

養生コンサルタント

松田 惇まつだ じゅん

薬剤師。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。