橋谷先生 糖質制限のウソ・ホント②

一般社団法人 健康指導師会 橋谷 副理事長 05

橋谷先生顔写真

食と健康というのはきっても切り離せない関係。ダイエット中も、「確実に効果がでて、健康的にリバウンドせず痩せたい」と思うのは万人の願いですよね! 細胞レベルで体内環境を整えるための食事と栄養のアドバイスを行う健康指導師の育成を行っている橋谷先生にダイエットに関してのアドバイスをいただきます。

糖質制限の「ウソ・ホント」②

白いものに注意!

ご飯 ( 糖質制限の「ウソ・ホント」①はこちら )

白砂糖や小麦粉はもちろん、白米や麺類なども立派な糖質です。
確かに美味しい食べ物ですよね。

「日本人はお米を食べなくちゃ!」という声を良く聞きます。
ですが、元々日本人は白い米など食べていませんでした。

こんな話があります。
江戸時代末から明治にかけて“脚気”という病気が流行し、たくさんの人が死んでしまいました。
これを江戸患いと言います。
脚気とは足がツルという症状に似ていますが、この時代の脚気はそれが心臓に起こった訳です。
心臓がつれば死んでしまいます。
*足を頻繁につったり、こむら返りが起こるような人は心疾患をおこす可能性が高いので要注意!

玄米

この時代に脚気が流行した理由は何だと思いますか?
これまで食べていた玄米を白米に変えたからです。

玄米には、心臓のミネラルと呼ばれるMg(マグネシウム)や、エネルギーを生産する上で不可欠なビタミンB群などが豊富に含まれていました。
それらの栄養素を剥ぎ取り、真っ白な白米にしてしまったことでMgやビタミンB群等の欠乏が起こり、心臓が止まって死んでしまったと言われています。

このように、本来私達は精製された白いものを食べる生き物ではありませんでした。

精製された食品は、カロリー源をエネルギーとして代謝させるために必要な必須栄養素をすべて剝いでしまった食べ物です。
必須栄養素とは、作物に含まれる“ビタミン、ミネラル、酵素、植物栄養物質”などを言います。

必須栄養素は、カロリーをエネルギーに代えるために必ず必要な栄養素であり、これらがチームで働く事で三大栄養素はエネルギーとして変換されます。
カロリー源を制限することばかりに着目し、必須栄養素を補給する事を忘れてしまえば代謝は間違いなく下がり、リバウンドしやすくなる可能性があります。

太る理由の1つとしても必須栄養素の欠乏が考えられますが、糖質制限をして体調を崩したりリバウンドしたりする方も同じように必須栄養素が欠乏していることが考えられます。
糖質を制限すると同時に、新鮮な野菜をたくさん食べる事はとても重要な事なのです。
糖質制限だけを続けても、必須栄養素が不足していればすぐに元に戻ります。

私は糖質制限を5年前に開始し、今でも緩やかな糖質制限を続けていますが、必須栄養の補給に重点を置いているので体重はずっと変わりません。
過剰摂取が明らかであれば制限は必要ですが、プラスαで加える事も実はダイエットの上でとても重要な事なのです。

次回は、糖質制限と代謝を上げるプラスαについて、さらに詳しくお伝えしていきます。

プロフィール

橋谷先生プロフィール写真

一般社団法人 健康指導師会

副理事長 橋谷圭伊子 はしやけいこ

3歳の頃、父が34歳という若さでクモ膜下出血により他界したことにより、物心ついた頃から身体を創る「食」について関心を持ち始める。2006年より細胞レベルの最先端栄養学である「正常分子栄養学」を本格的に学び始め、その後代替医療専門クリニックにて栄養管理を担当。多くの患者さんをサポートして行く中で、健康で幸せな人生を全うするためにも栄養の知識を広く伝えていきたいと考え、セミナーやコラムに取り組む。
現在は、細胞レベルで体内環境を整えるための食事と栄養のアドバイスや「3ヵ月で2度と太らない体を創る」ダイエットコンサルティング等、栄養指導やセミナーなどを行いながら、健康づくりに貢献したいという方のために、健康指導師会で副理事長として健康指導師の育成に力を注いでいる。
一般社団法人 健康指導師会 HP( http://k-shidoushi.com / )