松田先生 五味調和でバランスの良い食事を③〜酸味〜

養生コンサルタント 松田 惇 先生 09

松田先生顔写真

薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

五味調和でバランスの良い食事を③〜酸味〜

一回の食事の中に五味のすべてを含めよう!

前回、前々回と五味を調和させることでバランスの良い食事にする方法についてお話してきました。

「五味」とは文字通り5つの味を指す言葉で
酸・苦・甘・辛・鹹(さん・く・かん・しん・かん)の5つです。
(※鹹は塩辛みを指す言葉です。)

「五味調和」とはそれらの5つの味をまんべんなく食べる事で、バランスの取れた食事になるという考え方です。

一回の食事の中に五味のすべてが含まれていると、食材のもつあらゆる働きをバランスよく取り入れる事が出来ます。

五味による分類は食材の働きの違いを大まかに捉えるのに役立つので、ビタミンやミネラルなどの栄養素の事は良くわからない!
でも薬膳の事はもっとわからない!!
という方には、バランスの取れた食事を選ぶ上でとても良い指標になると思います。

薬膳ではそれぞれの味をもつ食材はそれぞれ異なる働きがあると考えます。
酸味のある食材と苦味のある食材ではそれぞれ働きが異なるわけです。
前回は五味の中でもっともダイエットと関係がある「甘味」(かんみ)についてのお話でした。

今回は残りの4つの味のうち酸味についてのお話です。

梅干し

酸味

酸味は文字通り酸っぱい味と、その他に渋味も五味の分類では酸味に含まれます。

酸っぱいものを食べた時。
例えば、梅干しを食べた時を想像してみてください。
あれをイメージして頂くとわかりやすいと思います。
酸味には引き締める働き、唾液の分泌を促して消化を助ける働きがあります。

そして酸味は「肝」の働きを助けます。「肝」とは漢方において、五臓という身体の5つの機能のうちのひとつです。
気の巡りを調整し、血を蔵すとされています。


ストレスで気が上ってふわふわしたり、イライラしたりするのを酸味を取り入れることで、収めることができます。

また「肝」は消化器系全般の働きを指す「脾」(ひ)をコントロールする関係にあります。
「肝」の働きが乱れると、「脾」の働きをうまくコントロール出来ずに、消化不良を起こしたり、逆に食欲が過剰になったりしてしまいます。

そのため、適度に酸味を取り入れることはこの「脾」の働きを整えることに繋がるので、 過剰な食欲を抑えたりする一方で、食欲がない時には消化を促し食欲を増進させる働きがあります。

消化を促して食欲が増したら太りそう!
って思われるかもしれませんが、

消化が促されることで、必要な栄養素を吸収しやすくすることが出来るので、むしろダイエットには効果的です!

お酢と梅干しを上手に取り入れよう!

りんご

酸味の食材の代表格としてお酢と梅干しがあります。
食事に梅干しを一粒加えるだけで、充分に酸味を取り入れることが出来ます。
はちみつが入った甘めの梅干しもありますが、できるだけ酸っぱいものがオススメです。

また、お酢はドレッシングや煮物に使ったり、黒酢やリンゴ酢などを飲むのもいいですね。
ただ、酸味は胃腸が弱っている時には傷めてしまう事があるので、空腹時にたくさん摂るのは避けましょう。

また、甘酢あんにするなど甘味と一緒に取り入れると「脾」を甘味で助けられるので、胃腸が弱っているときにも酸味を取り入れやすくなります。

他にもリンゴやあんず、みかんなどの果物も酸味に分類される食材です。
果物は甘味が強いと美味しいですが、しっかり酸味もある、甘酸っぱいものを選ぶとよいでしょう。

ぜひ酸味を上手に取り入れてみてください!次回は苦味についてお話します。

プロフィール

松田生プロフィール写真

養生コンサルタント

松田 惇まつだ じゅん

薬剤師。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。
ブログ(http://ameblo.jp/tabelkaor)