松田先生 地元を食べよう。旬を味わおう

養生コンサルタント 松田 惇 先生 04

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薬剤師のお仕事をしていた時の経験から漢方の世界に入り、アロマインストラクターの資格も持っている松田先生。色々な方へのカウンセリングを通じて体質を改善して根本から健康にする為の色々な方法を習得。食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」という独自のメソッドで多くの人の健康サポートをしている松田先生に、ダイエットの根本である『健康』等についてのアドバイスをいただきます。

地元を食べよう。旬を味わおう

地産地消

パイナップル

ここまで、
「よくかんで食べましょう」
「丸ごと食べましょう」

と食べ方についてお話してきました。

今回は身体に合った食材の選び方についてお話ししようと思います。

このコラムをご覧頂いている方は日本全国いろいろな所にお住まいの方がいると思います。
もしくは海外にお住まいの方もいらっしゃるかもしれません。

日本は四季が豊かで、北は北海道から、南は沖縄まで、気候が大きく異なります。
気候が異なると、当然採れる食材も変わってきます。

例えば、北海道ではとうもろこしやジャガイモ、鮭やホタテ、カニなどの魚介類、牛乳やバターなどの乳製品などをイメージされるかと思います。
かたや沖縄では豚肉、ゴーヤ、パイナップルなどの南国のフルーツをイメージされるかと思います。

同じ日本でも北と南でこんなにも様子が変わってきます。
地域の名産品や郷土料理はおおよそその地域で良く採れるものを食材として用いています。
昔は現代のように輸送手段が発達していなかったので、その土地で採れた物をその土地で食べる「地産地消」が当たり前でした。

現代では日本全国の物だけでなく、世界中の食材を気軽に手に入れられるようになりました。
本来であれば、その土地で口にする事が出来なかった物を食べる事が出来るようになった訳です。

食材の多様性が高まった反面、北国で南国のフルーツが食べられる、というような不自然な状況を作り出してしまっています。

例えば、パイナップルを例に挙げると、沖縄などの南国で採れ、夏に旬を迎えるフルーツです。
南国の暑い地域で採れるパイナップルには身体の熱を冷ます働きがあります。
まさに南国で食べるのにピッタリなフルーツ
なんです。

これを例えば冬の北海道で食べるとどうでしょうか。
寒さの厳しい中でよけいに身体を冷やしてしまいます。

その地域で採れる食材はその地域に住む人にとって必要なものであり、身体に合っていると言えます。
そのため地産地消はとても理にかなった食材の選び方だと言えると思います。

旬のものを食べよう

ナシ

もうひとつ大事なことは旬のものを食べると言う事です。
旬のものは美味しいですよね!でもなんで美味しいんでしょうか?

野菜や果物の場合、種まきから収穫まで、または花が咲いて実が熟すのに適した時期があります。
この適した時期に栽培された野菜や果物は栄養素をしっかり蓄えて元気に育ちます。
栄養価が高い元気な食材は味が濃く感じられ、美味しい!と感じる訳です。

また旬の食材はその時期の身体が求めているものである、というのも理由のひとつです。

夏に旬を迎えるトマトは身体の熱を冷ます働きがあります。
またこれからの秋の季節に旬を迎える柿や梨はのどに潤いを与えてくれるので、 乾燥しやすい秋にはぴったりの食材です。
身体が求めているから、より美味しいと感じるわけなんです。

つまり旬のものを食べることは、より栄養価が高くて美味しいものを身体の状態に合わせて取り入れることに繋がります。

地産地消、旬の食材を食べる。
このことを良く表す「身土不二」という言葉があります。
これは身体と大地は二つにあらず、つまり一つのものであるという意味の言葉です。
人の身体と環境は切っても切れない関係で結ばれています。

寒い地方には寒い地域の、暑い地方には暑い地域の生活、食があります。
また四季がはっきりしている日本では、それぞれの地域に春夏秋冬、四季折々の季節に合わせた生活、食があります。

身体は住んでいる地域の気候や季節の変化など、自然環境に大きな影響を受けていて、 これに逆らった不自然な生活をしてしまうと体調を崩したり、太ってしまったりする原因になってしまいます。

その地域で採れる旬の食材を味わうこと。
これが自然に沿った食生活を送るコツです。


まずは皆さんが今住んでいる地域の名産品、旬の食べ物を探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

プロフィール

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養生コンサルタント

松田 惇まつだ じゅん

薬剤師。AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。 薬科大学卒業後、調剤薬局勤務を経て、漢方薬局にて漢方カウンセリングに携わる。その経験の中で、病気を予防し健康に過ごすには、自分の体質を知ること、そして心身ともに自然と調和した生活を送ることが重要であると気づく。また、仕事のストレスで心のバランスを崩した時にアロマオイルに救われ、植物の香りの力の素晴らしさを実感する。それをきっかけにアロマテラピーを独学で学び始め、アロマテラピーインストラクターを取得。
現在は食と香りをテーマに体質に合ったライフスタイル=「養生」を提案するセミナーやカウンセリングを行っている。ふだん食べているもので身体は作られ、豊かな食文化は心と感性を育むという想いから、食育を通して健やかで笑顔あふれる食卓を増やしていくべく日々活動中。