富田先生　未病とは？

心と体はつながっている

東洋医学を説明する上で、まず知っておいていただかなければいけない言葉があります。 「未病」です。
いまや、養命酒のCMなどでもおなじみの言葉ですが、未病とはどういう状態のことを指すのかご存じですか？

簡単に説明すると、「病気の一歩手前の状態」ですが、では、病気の一歩手前の状態とは、具体的にどのような状態なのでしょうか。
私のセミナーでも、受講者の皆さんに質問しますが、皆さん何となくはイメージが付くけれども、説明するまではわからないという方が多いです。

皆さんは、身体に不調が起こり、調子が悪くなると、まずは病院に行かれることと思います。
病院に行くと、医師が診察して、必要な検査をするように指示を出しますよね。 血液検査、エコー、CT、MRIなどなど。
そして、検査の結果が数値化されて出てくると思います。

その数値には、正常範囲内、異常値など数字によって見極められると思うのです。 異常値であれば、病気と診断され、病名がついて治療方針が決まり、治療が始まります。 お薬が出たり、吸引したり、オペしたり、処置したり。

でも、いくら症状が出ていて、不調を訴えても、数値が正常範囲内であれば、それは病気ではないと判断され、もちろん病名もつきません。
病名がつきませんから、治療も行われません。
それが「未病」です。

症状があるのに、検査の数値は正常で病気ではないと帰される状態。
でも、本人としては、不調の自覚症状があるので、何となく納得感が得られないですし、じゃあ、この抱えている症状は一体どうしたらいいの⁉となりますよね。

私の知人でフラワーショップに10年以上勤務されている方がいます。
その方が、ある日急に指先の皮が剥けるようになり、生理でもないのに、不正出血するようになりました。頭痛もひどかったので、心配で病院に行ったのです。
いろいろ検査した結果、数値は正常値で、病気ではないと判断され、お薬もでませんでした。

その方は、担当の医師に聞きました。
「指先の皮が剥げるのは、どうしてでしょうか？」
医師はこう答えました。
「手荒れですね。」

知人はもう10年以上フラワーショップに勤務しています。
手荒れはしやすい状況ではありますが、ここ最近指先の皮が剥げるようになったのです。
それを、手荒れで片づけられてしまうことに対して、疑問だったと言ってました。
この例は、間違いなく「未病」の状態です。

その方は、その後、長期旅行を控えていらっしゃいました。
なので私はその方に、旅行に行くときっとすべての症状が治ると思うよ、と言いました。

それから約1か月後、彼女に会った時に、身体の調子を伺いました。
そうしたら、旅行に行ってしばらくしたら不正出血も止まり、頭痛も無くなり、指先も綺麗な状態になったそうです。

やっぱり！と思いました。
心と体はつながってます。
開放的で自由な状況を手に入れたその方は、気持ちも開放的で自由な状態だったと思うのです。
だから、身体もバランスが自然と整って、未病の状態を脱することができたのだと思います。

バランスを整えるのが東洋医学